2023年5月7日

イエス様がたとえで用いておられる「からし種」がどの植物のことなのかについては諸説あります。近頃は日本でも野菜として栽培されている「カラシナ」は、成長しても1mくらいの草なので、鳥がとまるには細すぎます。そこで現代ではほとんど栽培されていない「クロガラシ」だったのだろう、と考えられています。「クロガラシ」は、2mくらいまで成長し、細いながらも枝が伸びて小鳥が巣を作ることが出来そうです。枝が細かく分かれているので、小鳥にとっては外敵から身を守ってくれる木なのかも知れません。「クロガラシ」の実は、現代の「洋からし」よりも香りが高く、古代社会では胃薬、咳止め、湿布薬などとしても用いられていたようです。有益な植物ですが、現在栽培されなくなったのは、機械での収穫が困難だからなのだそうです。イエス様は人間の手作業によらなければ育てられない木に天の国をなぞらえておられるのかも知れません。天の国は機械的効率ではなく、人と人との暖かな関係の中に大きく現れていくのかも知れません。

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