2023年1月15日

ユダヤ人にとって理想の指導者とされたダビデ王は、モアブ人の子孫でもあります。これは純血主義のユダヤ人にとっては好ましくない事実だったかも知れません。聖書ではしばしば純血主義を保ち、異邦人と共に生活しないようにという勧めが見受けられますが、この勧めの本質は、ユダヤ人以外は遺伝的に汚れているということではなく、異邦人が信じている宗教を、聖書の信仰に持ち込んだり、妥協したりするなということだったのでしょう。ところが、時代が降るごとに信仰の純粋さを求める情熱は、高慢な選民思想的純血主義に覆い隠されて行きました。しかし、聖書では信仰の純粋さと、人間の多様性の両方が神様の目に好ましいものであることを繰り返し教えているようです。ダビデ王は他民族の血筋による英雄であり、かつ悔い改めを含めた信仰の模範でありました。ルツ記は、ダビデの先祖にあたるモアブ人ルツとユダヤ人のナオミ、ボアズとが、信仰を通して一つの民、一つの家族となった喜びの物語です。ダビデの王国であるイスラエルもまた他民族国家でした。イエス・キリストは万人を救われるという点でダビデの再来です。

Follow me!