2023年5月21日

キリスト教の宣教者として、広く名を知られていたパウロは、自分を「最もつまらない者」と呼びます。どれだけ人から良い評価を受けていたとしても、パウロは思い上がることが出来ませんでした。というのも、もともとパウロは、キリスト教の熱心な迫害者だったからです。しかしパウロはいつでも謙遜でいられたわけではないかも知れません。使徒言行録9:3によれば、パウロが幻の中でイエス様から直接、キリスト教の伝道者として任命されています。この神秘的な出来事は、パウロの回心に欠かせないことでした。パウロはこの経験によって、自分を使徒(エフェソ1:1)と呼びます。使徒というのは当時の教会で最高指導者たちを意味していました。第Ⅱコリント10:10によれば、「パウロは手紙では偉そう」だったようです。強い信仰の故に、パウロは思い上がりと、謙遜との間を常に揺れ動いていたのかも知れません。パウロはそんな自分に気付いていたからこそ、「最もつまらない者」と言うのでしょう。しかし、そんな弱さのある自分に対して、キリストの恵みを伝える大役が委ねられているとパウロは言います。神さまは弱さある人を用いて、力強い救いの恵みを広く人々に注いで下さる方です。

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