ルカによる福音書8章41-56節では、二人の「娘」が登場します。一人はヤイロという人物の娘で42節では「12歳くらい」とされています。もう一人が、ヤイロの娘を癒しにいく途中で出会った女性で、43節では「12年このかた出血が止まらず」と紹介されています。この出血は女性特有の病気の一種であったと考えられているようです。文字通りにとれば、この女性は12年間病気で苦しんでいたので成人しており、ある程度の年齢であったことが想像されます。当時、出血の続く病気は「ケガレ」と見なされ、病的感染のみならず、罪深さが感染しないようにと社会から隔離されることがありました。彼女は病気だけでは無く孤独感に苦しんでいたかも知れません。この女性が癒された時、イエス様は「娘よ」と呼びかけています。父なる神さまがこの女性を決して見捨ててはおらず、愛情深い親は、いくつになっても子を慈しむ心を失わないように、神さまはこの女性をご自分の娘と思い慈しんでおられるのだということが、人々の前で宣言されました。神さまは体だけではなく、心と社会性をも癒して下さる愛の神です。