新約聖書の舞台である地中海世界を支配したローマ帝国では、いくつかの税金がありました。イエス様がお生まれになられたユダヤ王国は、帝国の税金に加えてユダヤ王国特有の10分の1税や神殿税という献金兼宗教税がありました。この2つの税金は、エルサレム神殿の維持管理のため、また貧しい人と神殿に仕える祭司やレビ人たちの生活を支えるために使われたもので、福祉的用途のための税という意味があったようです。しかし、ローマ帝国にユダヤ王国が支配されたことで、税金がローマとユダヤ、二重に支払うことになったので、住民は苦しんだようです。そうした税金についての人々の不満を利用して、イエス様を罠にかけようとした人々がいました。ローマ帝国に税金を払うべきと答えれば、自分たちを苦しめる侵略者かつ、異教徒の支配に対して屈することを勧める裏切り者と言うことが出来ます。もし税金を払わなくて良いと答えれば、ローマ帝国に対して反乱を起こす意思があると見なして、当局に通報することが出来ます。しかしイエス様は宗教と政治、自由と義務、それぞれが必要としているお金はきちんと区別し、それぞれの理由に基づいて支払い、あるいは献げるべきものであることを教えておられるようです。